エレクトリック・ランデブー/アル・ディメオラ
Electric Rendezvous /Al Dimeola

side1
1.Godd Bird Change
2.Electric Rendezvous
3.Passion Grace&Fire
sideB
1.Cruisin
2.Black Cat Shuffle
3.Ritmo De La Noche
4.Somalia
5.Jewel Inside A Dream

1982年作

 この作品以前のディメオラについて私は何の不満もなかった。彼の仕事全てが素晴らしいと思う。しかし、この「エレクトリック・ランデブー」については辛口にならざるをえない。ディメオラは自分の進むべき音楽の道を迷い始めている。昨日の自分に満足することなく、新しい自分を見つけなければならない、そのことを十分すぎるほど彼は分かっていたのだと思う。この作品ではこの時代の流行のサウンド・アレンジや楽器の音色などを彼なりに取り込んで、新しいサウンドを作ろうとしている。心意気は分かるが、それが上手く成功していない。16ビートのただのロックを演奏したり、イージーリスニング的な曲もある。ある意味ではもうやるべき事をやり尽くしてしまったのかも知れない。あれだけ高密度で高エネルギーの音楽を非常に高いレベルで完成させたのだから、もう燃やすべき燃料が残っていないとしても不思議ではない。今までが凄すぎたのだ。はっきり言おう、この作品では楽曲も良くなければ、演奏もイマイチ、こころの中に入ってくるものが何もない。地球のエネルギー資源と同じように、人間のエネルギー資源も限界があるのだろうか。エネルギーは枯渇してしまうものなのだろうか。そう考えると、とても寂しい。

Al dimeola : Guitar
Philippe Saisse : Key
Jan Hammer : key
Anthony Jackson : Bass
Steve Gadd : Drums
Mingo Lewis : Congas
Paco De Lucia : Guitar
                 評価:D(聴きたい人はどうぞの並作品)
( 大庭英亨 2001.10.03)

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