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エレガント・ジプシー/アル・ディメオラ |
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sideA 1.リオ上空 2.真夜中のタンゴ 3.地中海の舞踏 sideB 1.スペイン高速悪魔との死闘 2.ローマの貴婦人、ブラジルの妹 3.エレガント・ジプシー組曲 1976年作 |
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| A面一曲目の「リオ上空」。ゆっくりと始まるイントロが終わるやいなや、目にも止まらぬ早技で一気にディメオラのギター・サウンドが天まで駆け上がって行く。初めてこれを聴いた時はこのレコードの中で何が起こっているのか全くわからなかった。息をつかせる間もなく、サウンドはどんどん先に進んでゆく。「真夜中のタンゴ」でゆるやかでメロウな、とにかく美しいメロディーが流れてきて、ここでもそのメロディーに乗せられて、別世界に連れて行かれるのである。そして、名曲「地中海の舞踏」ではパコ・デ・ルシアとのスパニッシュ・ギターの掛け合いが始まる。本格的にスパニッシュ・ギターを聴いたのはおそらくこれが最初だろう。なんとも言えない哀愁と熱い情熱がそのサウンドからほとばしっていた。 レコードを裏返せばこれまた信じられないようなサウンドがいきなり始まった。「スペイン高速悪魔との死闘」でのギター・ワークはもはや人間業ではない神の領域に入ったテクニックである。ギターがただ速いだけでなく、そのスピードの緩急の落差がまた一層聴く者を引き込んでゆく。しかもメロディーが泣いていて、どうしようもなく切ない感情も浮かび上がってくる。人間のこころの琴線に触れてくるようなメロディーを持ちつつ、とてつもないスピードとゆったりした柔らかさを兼ね備えた絶妙の音楽。一回聴いただけで、完全にディメオラの世界に引き込まれ、虜になってしまった。「ローマの貴婦人、ブラジルの妹」で初めて一休み、ディメオラのギター・ソロが心地よく流れてゆく。そしてアルバム・タイトル曲「エレガント・ジプシー組曲」で地中海の海の上にある夢の世界を旅するのだ。 私が初めてアル・ディメオラを知ったのがこのアルバムであるが、とにかく凄いとしか言いようがないアルバムである。圧倒的なサウンドのエネルギーは当時の数ある名盤の中でもひときわ輝いていたのではないだろうか。もちろん、この作品で聴ける彼のギター・ワークの凄さがこの作品の最大の魅力であるといえるが、そのテクニックが凄いからわれわれが感動する訳ではないのだ。ここから聴き取れる楽曲の素晴らしさがあって初めてその凄まじいテクニックが生きてくる。そこに魂が宿るのだ。この作品を詳しく聴いてゆくと、私が最も愛するギタリスト和田アキラに随分と影響を与えていたんだなぁ、と感じる部分がたくさんある。ギターの弾き方もそうであるが、第一期プリズムが持っていたメロウなサウンドとアグレッシブでスピードのあるサウンドの対比はこの作品からもヒントを得ているのではないかと感じさせた。後の多くのミュージシャンにも多大な影響を与えたアル・ディメオラを一躍”時の人”にした忘れてはいけない重要な作品である。
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