セブン・アップ/アシュ・ラ・テンペル
Seven Up/Ash Ra Tempel

1.スペース
2.タイム

1972年作

 前作よりサイケ感、ドラッグ感、トリップ感がすべて増している。この作品は西ドイツからスイスへ亡命していたLSD研究者のティモシー・リアリーを迎えて制作されたとされている。つまり、参加メンバーがLSDを服用し、ティモシー・リアリーのディレクションのもとにセッションが行われた。「スペース」はスタジオ・ライブ録音、「タイム」はベルン・フェスティバルでのライブの模様が収録されている。ブルース、軽快なロックンロール、そして初期ピンク・フロイドを感じさせる曲調などに加え、ラフで即興的なノイジーな音を大げさなエコー処理をし、スペイシーな音空間を作っている。良くも悪くもこのようなサウンドは当時のジャーマン・サイケデリック・シーンの姿を象徴している。この時期、ベースのエンケはドラッグ中毒でほとんど発狂状態だったそうである。

 さて、このアルバムをどう聴き、評価したらよいのか。これはとても難しい。はっきり言って、私には良くわからないのだ。良いとも悪いとも判断できない。おそらく変拍子を愛し、ドラマティックでシンフォニックなプログレシブ・ロックを求めているファンやミニマルでスタイリッシュなテクノにはまっているファンの両方から微妙に遠い場所にある音楽であるように思う。現にその両方のファンである私がこのサウンドをどうつかんで良いのか悩んでいるからである。このアルバムの評価はあなた自身があなたの耳で聴いて確かめてほしい。

 

評価:C(楽しめる良作品)
( Hideyuki Oba.2003.6.24)
Timothy Leary/voice
Brian Barrit/voice
Bettina Hobls/voice
Portia Nieomo/voice
Mickey Duwe/voice,flute
Hanmut Hawk Enke/bass,guitar,electronics
Manuel Gottsching/guitar,electronics
Steve A/organ,electronics
Dietmar Burmetster/drums
Tommie Engel/ drums
Dieter Dierks/synthesizer

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