ウォーク・オン/ボストン
Walk on/ Boston

1.Need your love
2.Surrender to me
3.Livin` for you

Walk on medley

4.Walkin` at night
5.Walk on
6.Get organ-ized
7.Walk on(some more)

8.What`s your mame
9.We can make it

1994年作

 ボストンというグループには時間を固定させ封印してしまうチカラがあるのだろうか。前作「サード・ステージ」は9年ぶり、そしてこの「ウォーク・オン」も8年という長い時間の経過の後に発表された。そして、そのアルバムの中身である音楽の世界観は全く揺るぎなく堂々と不変の姿勢で20年以上の間保たれ続けているのである。全く変わらない音楽に対する姿勢、ある意味ではワン・パターであるにも関わらず、その新しい作品に多くのファンが新鮮な驚きと感動を感じてしまう。この「Walk On」でのボストン・サウンドは17歳の若々しい男の子が30年経っても昔とまったく変わらない姿でこの世に現れたような出来事なのである。またあのボストン・サウンドが完璧な完成度で制作され、われわれのもとへ届けられた事がなによりうれしい、それがファンの素直な気持ちなのかもしれない。

 前作「サード・ステージ」はラブ・ソングである「アマンダ」に代表されるように甘くメロウなサウンドの印象が大きかったが、この「ウォーク・オン」はファースト・アルバム時代にあったハードでスピード感のあるアメリカン・ハード・プログレ・サウンドが活き活きと甦っている。トム・シュルツ(現在ではトム・ショルツ)以外はオリジナル・メンバーがいなくなってしまったこの作品でもボストン・サウンドはまったく変わらずその輝きをさらに増している。ボストンはその音楽を聴けばすぐボストンであると分かる他の誰にも似ていない唯一無二の音楽を作った歴史に残るバンドであり、プログレシブ・ロックの観点からも1976年という時期にロックの新しい流れを作った偉業を成し遂げたグループとして最大級の評価をしたいと思う。これからも素晴らしい作品を作り続け、われわれのもとに届けてくれることを願いたい。

評価:B+α(手応えのある快作品)
( 大庭英亨 2002.6.14)
トム・シュルツ:ギター&キーボード
フラン・コスム:ボーカル
トミー・ファンダーバーグ:ボーカル
デイビッド・サイクス:ボーカル&ベース
ギャリー・ピール:ギター
ダグ・ハフマン:ドラムス

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