プロダクト/ブランドX |
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1.Don't Make Waves 2.Dance of the Illegal Aliens 3.Soho 4.Not Good Enough - See Me! 5.Algon (where an ordinary cup of drinking chocolate costs £8.000.000.000) 6.Rhesus Perplexus 7.Wal to Wal 8.… And So To F … 9.April 1979年作 |
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ブランドXの作品の中ではめずらしくバラエティに富んだ曲構成で作られたアルバムではないだろうか。フィル・コリンズがボーカルをとった曲が2つあるが、これはジェネシスの「アバカブ」時期のサウンドを思い起こさせる。ジェネシスらしいポップなプログレ作品と捉えることができるのではないだろうか。インストゥルメンタルの楽曲もいつものブランドXらしいジャズ・ロック・サウンドも健在だが、ラテン・フュージョン的な曲もあり、ある意味で聴きやすいサウンドが顔をのぞかせている。私がこの中で一番好きなのは8曲目の「.… And So To F …」である。彼らの作品ではめずらしく変拍子が心地よいスピードで駆け抜けてゆく。スピードに乗った変拍子にメロディーが重なってゆく感じがたまらなくいいのだ。とても明るい陽射しを感じる曲である。 アルバム全体を見渡しても軽やかで光のある世界であると言うことができるだろう。5曲目の「Algon 」なども軽快なテンポでメロディーもどこかキャッチーさを備えていて、耳の中にすーっと流れ込んでくる。ブランドXの音楽は私が思っていたブリティッシュ・ロック特有のダークなニュアンスを持ったジャズ・ロックとは少しニュアンスが違っているような気がする。ジャズ・ロックというよりフュージョンという感じなのだ。(ここでのフュージョンは褒め言葉である)私が考えるジャズ・ロックとはもっとダークなのだ、陰鬱なのだ。ハットフィールド&ザ・ノースやブラッフォード、ソフト・マシーンなどのカンタベリー・ロック、アラン・ホールズワースの1970年代の仕事の中に理想のジャズ・ロック・サウンドがあるように思う。グッドソールが言っている”ヘヴィ・プログレシブ・ジャズ・ロック・フュージョン”という言い方がブランドXのサウンドをひとことで言い得ているのかもしれない。やはり、フュージョンなのだ。
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