Xコミュニケーション/ブランドX
X Communication/Brand X

1.Xanax Taxi (Goodsall)
2.Liquid Time (Goodsall)
3.Kluzinski Period (Jones)
4.Healing Dream (Goodsall)
5.Mental Floss (Goodsall)
6.Strangeness (Jones)
7.A Duck Exploding (Goodsall/Jones)
8.Message To You (Goodsall)
9.Church Of Hype (Jones)
10.Kluzinski Reprise (Goodsall/Jones)

1992年作

 80年代、ニューヨークを拠点に活動をしていたパーシー・ジョーンズは90年にフランク・カッツ (b)、マーク・ワグノン(vib)、ヴァン・マナカス(g)のメンバーでトンネルズを結成していた。80年代のパーシー・ジョーンズの音楽活動は非常に苦境に立たされていた。だから、このトンネルズの結成は新たに音楽をやって行けるという手応えを感じさせるものであった。一方、ロサンゼルスを拠点に活動していたジョン・グッドソールは精力的なスタジオ・セッション活動の後、87年にファイアー・マーチャンツを結成。超バカテクハードロック・サウンドを展開させていた。そんな二人が1992年に突然ブランドXを復活させたのである。

 ジョン・グッドソール(g)、パーシー・ジョーンズ(b)、そしてトンネルズからの参加であるフランク・カッツ(d)の3人編成で「Xコミュニケーション」は作られた。もう、ここからのブランドXは1970年代のあのブランドXではない。あのブランドXの中心メンバーのふたりが組んだ新しい音楽を楽しむための音楽プロジェクトと考えるべきだろう。このアルバムは細かく聴いてゆくと、実に多様なサウンドで作られているように思う。いわゆるジャズロック的なサウンドに加え、明らかにジャズ的なもの、ヘビメタ及びハードロック的なもの、そしてテクノロジーの進化を表しているギター・シンセなどの新しい機材の質感が複雑にブレンドされている。トリオ編成ならではのきっちりとまとまりのあるタイトなサウンドはとても好感が持てるものだ。特にグッドソールのギター・シンセでの超絶プレイにはやはり脱帽である。

 こんないい感じの作品を発表し、これから精力的なブランドXの活動があるかと思えば、このまま再び沈黙してしまう。90年代はプログレの復活が相次いだ時代であるが、そうは簡単にいかないものなのだ。


JHON GOODSALL: G
PERCY JONES : B
Frank Katz : DR

Danny Wilding :flute
Mark Wagnon :MIDI vibes
                      評価:B+α(手応えのある快作品)
( 大庭英亨 2001.8.8)

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