ワン・プラス/サーカス
one plus/Cirkus

1. ユー・アー(You Are) 
2. シーズンズ(Seasons) 
3. '73年、春(April'73)
4. タヴッシュの歌(Song for Tavish)
5. 祈祷(きとう)(A Prayer)
6. ブラザリー・ラヴ(Brotherly Love)
7. 追憶(Those Were The Days)
8. ジェニー(Jenny)
9. タイトル・トラック(Title Track)
10. 城(Castles)
11. ザ・ヘヴィエスト・ストーン(The Heaviest Stone)
12. アムステルダム(Amsterdam)
13. メリーサ(Mellissa)
14. ピックアップフォーン(Pickupaphone)
(10〜15: ボーナス・トラック)

1973年作

  "Kのサーカス"って知っていますか?60〜70年代にはサーカスというグループは2つあり、"Cのサーカス"(CIRCUS)は元キング・クリムゾンのメル・コリンズの所属していたグループを、"Kのサーカス"(CIRKUS)は今回取り上げたいグループである。 この"サーカス"という謎のグループの1973年に録音された唯一のアルバムが"One"である。CD盤ではそれに5曲のボーナス・トラック(71〜76年)が追加され"Oneplus"となっている。このアルバムは自主製作であったというから、当時はかなりマイナーであったのだろうが、その上質の音から話題を呼んだのだろうか、現在でも手に入れることが出来るほど出回っている。この作品は、プログレマニアの中には最初に聴いたときに、恐らくはポップで平凡なものにしか聞こえない者もいるかもしれない。しかし、聞き込んでいくと、はまってしまう不思議な作品である。特にストリングスや、メロトロンの使い方が上手だと思うのだ。
 1曲目からドラマチックでシンフォニックしていているが、ヴォーカルがどこかインディアン風でおもしろい。どの曲にも当てはまるのだが、オーケストラ風のストリングスやメロトロンがばんばん使われ、それが曲を包み込んでいるように聞こえる。この曲を聴けばこのグループの音はおおよそつかめると思う。2曲目はバラード調のヴォーカルでゆったりとした曲。3,4、5曲目を聴いていると60〜70年代にはやった昔懐かしいポップスの雰囲気がぷんぷんにおってくる。7〜8曲目何かはビートルズの影響をずいぶん受けているのではないか。ヴォーカルの歌い方なんか中〜後期のビートルズを連想してしまう。ビートルズってプログレでないと思っていませんか。"ストロベリー・フィールズ"なんて、立派なプログレですよ!7分とこのグループとしては長い、9曲目は叙情的な名曲である。前半はギターとストリングスが織りなし、後半部分のワルツの旋律はやはりビートルズの某曲(思い出せないが)を連想してしまう。以下はボーナス曲なので省くが、音的にはそれほど違いはない。
 なぜ、このグループが魅力的なのか、という答はおのずと出てくるのではないか。もし、あなたがビートルズに影響を受けていたとしたら、きっと気に入るはず!

Dog (el & ac-g)
Stu McDade (ds, perc, b-vo)
Derek g. Miller(org, p, mellotrone)
John Taylor (b)
Paul Robson (lead-vo)
評価:B(手応えのある快作品)
( ゲストライター高野.2003.9.10)

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