偏狭な曲芸/Deus Ex Machina
Equilibrismo Da Insofferenza/Deus Ex Machina
1.友人虚妄症候群 2.無限の分析 3.コスモポリティスモ・センティメトロポリター ノ 4.気難しい奴 5.通信不能 6.偏狭な曲芸 7.矛盾命題 8.トロット・トロニッ ク 9.この世の終わり
1998年作
デウス・エックス・マッキーナの現時点での最新作「偏狭な曲芸」はアレアばりの フリージャズロック全開の凄まじいばかりのハイテンションアルバムだ。まるでディ メトリオがゾンビのように生き返りアレアが復活したかのようなインパクトの強さで ある。かれらは現時点でイタリア最強のジャズロックバンドであり、プログレフィー ルドの超新星であると言い切ってしまいましょう。
デウス・エックス・マッキーナはこの「偏狭な曲芸」を含めて今までに6作品を残 しているのだが、前作2枚はライブアルバム、また、95年のプロッグ・フェストの ライブ音源があるので、本作は、4年ぶりのスタジオアルバムと言うことになる。ま た、サックスやトランペット、トロンボーンなどのゲストミュージシャンが多数参加 して制作されたこの作品は、今までのライブパフォーマンスの経験を十二分に発揮し たフリーインプロビゼイションを連綿に重ね合わせたかのような重厚さと、最後の最 後まで突っ走りきる疾走感に満ちあふれている。ともすればちんどん屋ジャズロック になりがちな編成であるが、凄まじい早さで楽器を演奏するテクニックと、全体をう まくまとめている整合感がそれを防いでいる。まさに「偏狭な曲芸」とも言えるウル トラC的なテクニックと作曲能力(パフォーマンス能力?)が生み出した、綱渡りの 曲芸のようなハラハラドキドキの作品なのだ。
アレアやアルテイ・エ・メスティエリ無き今、彼らのスピリットを受け継ぎ更に発 展進化させたデウス・エックス・マッキーナは90年代における真の「インターナシ ョナル・ポピュラー・グループ」と言っても良いだけの貫禄も実力もあるスーパーバ ンドなのである。アクは強いが、はまるとなかなか抜けられないので、暇が充分ある 人でないと、他のCDを聴く暇が無くなってしまいますよ(笑)。
評価:B(手ごたえのある快作品)
(ダーリンちゃん2000.1.5)
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