オウデラ・デス・オムブレス/イーアールイー・ジー
AU-DELA DES OMBRES/Ere G

1.La course aux papillons
2.La traversee
3.La rose de Stalingrad
4.Infantes
5.Mille couleurs
6.Au-dela des ombres
7.Ardeur ternie

2002年作

 「ERE G」はカナダのフランス系バンドでファーストアルバム(だと思う)「AU-DELA DES OMBRES」を2002年10月に発表した新人バンドである。このアルバムは2002年度に僕が耳にした作品の中でも1・2を争うくらいのお気に入りになり、ここ数週間この作品ばかり聴いている。「ERE G」の中心人物は「Robin Gaudreault」でベース・ボーカル・アコースティクギター・キーボード・フルートまでこなすマルチプレイヤー。ドラムスとエレキギターは固定的であるが、曲にあわせてバイオリン・クラリネット・サックス・フルートなどの演奏者(ゲスト?)が入れ代わり参加して作品が出来上がっていく。完全にロビンのワンマンバンドと言うか、ロビンズプロジェクトのような作品と言って良いであろう。

 この作品が気に入っている理由は、まず曲が素晴らしい所に加えそれを歌い上げるボーカル(フランス語)が儚くも悲し気で憂いに満ちており、更にバッキングコーラスまでもが美しい所である。また、ロビンの本職がベースなだけあってリズムセクションがタイトにきまっており、バッキングのシンセ・メロトロンも効果的で音色・使い方もかっこいい。フルートやサックス、クラリネット、12弦ギターまで駆使して全体的に高度なシンフォニックロックに仕上げられていて文句のつけようがない。

 最初はベースラインやギターの入りかた、メロトロンの使い方などどこかYESっぽいと感じたが、聴き進むと、バッキングの12弦ギターとメロトロンのからみ合いなどはジェネシス風のニュアンスがある。また哀愁を帯びたコーラスはパストラルに近いエモーションを感じさせ、最終的には「YESとGENESISの良い所を取込んでトラッドフォーク的なボーカルで歌いあげた叙情派シンフォニックの傑作」と評します。


評価:A(名盤と呼べる傑作品)
( ダーリンちゃん.2003.1.27)
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