ビヨンド・エクスプレション/フィンチ
Beyond expression/Finch

1.A Passion Condensed

2.Scars On The Ego

3.Beyond The Bizarre

1976年作

 フィンチのセカンド・アルバムとなったこの作品は20分を超える大作「A passion condensed」、8分51秒の「Scars On The Ego」、14分24秒の「Beyond The Bizarre」の3曲で構成されている。コンセプト・アルバムという訳ではないが、おおらかで外に広がるようなサウンドの世界がある。彼らの演奏技術は明らかに向上していて、全体的になめらかで切れ味のいいサウンドを展開させている。ケンソーを引き合いに出すとすれば、サード・アルバム「ケンソー」や「スパルタ」あたりの広がりのある空間サウンドのニュアンスがどことなく近いように感じる。前作で感じた初期キャメル的なことでいえば、今回はキャメルの静の部分である美しくゆったりとした癒しのサウンドがいくつかのところで聴き取れるように思う。

 ただし、前作にあった攻撃的な高揚感やキャッチーなメロディーが今作品ではイマイチだったように思う。荒削りではあるが、勢いが感じられたファースト・アルバムのほうが私は好きである。大作指向になった分、全体的に楽曲自体が間延びしたような気もする。まとまりに欠けた構成が少し気になるところである。
Peter Vink :bass
Joop Van Nimwegen :guitar
Cleem Determeijer :keybords
Beer Klaasse :drums
評価:C(楽しめる良作品)
( 大庭英亨 2002.4.14)

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