HANA-BI/久石 譲
HANA-BI/Joe Hisaishi

1. HANA-BI
2. Angel
3. Sea of blue
4. ...and Alone
5. Ever love
6. Painters
7.Smile and Smile
8.Heaven`s Gate
9.Tenderness
10.Thank you,...for everything
11.HANA-BI(reprise)

1998年作

 1997年ベネチア国際映画祭で「HANA-BI」はグランプリである金獅子賞を取った。いつものことであるが北野武作品は海外で評価され逆輸入のカタチで日本に入ってくる。ただ、海外のメディアでの高い評価とは裏腹に興行収入ではいまひとつであった。私はたけしの映画はほとんどが好きであり、「HANA-BI」はその北野作品の中でやっぱり最高の出来だと思っている。ただ、映画はたった一度しか観ていない。その一回観ただけで作品内容が鮮やかに私の脳にインプットされてしまったのだ。その代わりと言ってはなんだが、サウンド・トラックは何度聴いたか分からない。サントラを聴くことで、映画の映像が甦り、頭の中で再生される。しかし、繰り返し聴く内に映像はしだいに再生されなくなり、その音楽が一人歩きをし始めた。私の中で独自のイメージが作られるようになったのだ。明るくメジャーなメロディーがほとんどなく、どこか冷たくセンチメンタルなメロディーが心象風景を描いてゆく。ストリングスと吹奏楽器で構成されるコンパクトなオーケストラ構成にサンプリングで作られたベース・トラックが重なることで現在進行形の時代の空気感が上手く表現されているように感じる。生楽器とコンピュータ楽器の巧みなサウンドのブレンド感覚。音楽をメロディーだけでなく、音として捉えることができる久石譲ならではの感性が聴き取れる。聴く度に新鮮で、飽きることがない。久石譲の音楽の魅力は言葉では上手く表現できない。やはり、聴く以外に方法はないのである。

八木のぶお:ハーモニカ
旭孝、篠原猛:フルート
星野正:クラリネット
柴山洋:オーボエ
前田信吉:バスーン
後藤勇一郎グループ:ストリングス
          
                 評価:A(名盤と呼べる傑作品)
( 大庭英亨 2001.12.11)

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