偉大なる聴衆へ/カンサス
Two for the show/ Kansas

first disk
1.ソング・フォー・アメリカ SONG FOR AMERICA (7:04)
2.帰らざる航海 POINT OF KNOW RETURN (3:07)
3.逆説の真理 PARADOX (3:51)
4.銀翼のイカルス ICARUS◆BORNE ON WINGS OF STEEL (5:44)
5.神秘の肖像 PORTRAIT (HE KNEW) (5:41)
6.伝承 CARRY ON WAYWARD SON (4:43)
7.栄光への旅路 JOURNEY FROM MARIABRONN (8:22)
second disk
1.すべては風の中に DUST IN THE WIND (4:22)
 :アコースティック・ギター・ソロ ACOUSTIC GUITER SOLO (1:43)
 :ピアノ・ソロ PIANO SOLO (1:31)
2.寂しき風 LONELY WIND (2:31)
3.神秘と混乱 MYSTERIES AND MAYHEM (4:06)
4.ランプライト・シンフォニー LAMPLIGHT SYMPHONY (2:40)
5.壁  THE WALL (4:41)
6.孤独な物語 CLOSET CHRONICLES (6:43)
7.超大作 MAGNUM OPUS (11:11)
 a.ファーザー・パディラと完全なるブヨの対面 
   Fother Padilla Meets The Perfect Gnat
 b.月に吠える  Howling At The Moon
 c.船から落ちた男  Man Overboard
 d.メカニック総出演  Industry On Parade
 e.ビーバーを自由に  Release The Beavers
 f.ブヨの襲撃  Gnat Attack

1979年作

 ライブを聴けばそのバンドの実力が解るとよく言うが、本当にそう実感させるライブ・アルバムがこの「偉大なる聴衆へ Tow for the show」である。個人的にはイエスのイエス・ソングス、キャラバンのニュー・シンフォニア・ライブ、ツェッペリンの熱狂のライブ、パープルのライブ・イン・ジャパンなどと肩を並べる素晴らしい作品であると思っている。カンサスの歴史の中で選りすぐりの良い曲ばかりを選んで、構成しなおしたベスト・アルバムであるから良いに決まっているのだが、特に私にとって、初期のカンサスには好きな曲とそうでない曲がはっきりしていたので、好きな曲ばかりでこのライブがおこなわれていると言うことは私の感性のツボに完全にはまってしまうのである。浪人時代、テープがすり切れるまで聴いたというくらいに聴きまくった。(当時、友人からカセットに録音してもらって聴いていた。もちろん、このテープは現在でも所有しています。)

 良い理由は楽曲の素晴らしさだけではない。ここで演奏される彼らの演奏力、テクニックや熱気、感性が非常に高いレベルで表現されているからである。成熟期、乗りに乗っているというバンド自体の勢いがストレートに伝わってくる。音もいい。とにかく、ソング・フォー・アメリカからラストの超大作まで、じっと耳を傾けるだけで、誰もが彼らのミラクル・ワールドへトリップすることができる傑作である。

評価:A(名盤と呼べる傑作品)
( 大庭英亨 2002.9.8)
Kerry Livgren - Guitar, Keyboards
Steve Walsh - Organ, Synthesizer, Piano, Keyboards, Vocals, Vocals (bckgr), Vibraphone
Phil Ehart - Percussion, Drums
Dave Hope - Bass, Guitar (Bass)
Toye LaRocca - Vocals
Cheryl Norman - Vocals
Robbie Steinhardt - Violin, Viola, Vocals, Vocals (bckgr)
Rich Williams - Guitar

 「カンサス初心者の方は真っ先にこのアルバムを聴いて下さい」と言いたいのが本作「トゥー・フォー・ザ・ショウ」です。何と言っても代表曲が総べて入っている事と、いっさいオーバーダビングしていない迫真の演奏が聴けるからです。スタジオ録音に比べてスピード感も迫力も激しさもすべてに関して(コーラスだけはスタジオの録音の方が良い、まああたりまえですが..)このライブの方が優っています。CDは収録時間の関係で、「クローゼット・クロニクルズ」が割愛されていますので、ぜひLPで聴いて欲しい物です(ジャケットも断然LPの方が良い)。プログレのライブアルバムは2枚組、3枚組の名作がいっぱいあるのですが(EL&Pの「レディース・アンド・ジェントルメン」やYESの「イエス・ソングス」、ジェネシス「セカンドアウト」、CAMEL「ライブ・ファンタジア」などどれもこれも例外なく傑作)それらと比較しても劣らない作品であると太鼓判を押しましょう。
評価:A(名盤と呼べる傑作品)
(ダーリンちゃん2002.9.8)

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