ロンサム・キャット/渡辺香津美
Lonesome Cat/Kazumi Watanabe
side-A1.Somebody Samebody 2.Mirrors 3.Aqua Beauty
side-B1.blackstone 2.Moving Nozzle 3.Lonesome Cat
1978年作
渡辺香津美は若干17才でデビュー・アルバム「Infinite」を1971年に出してから、セカンドアルバム「monday blues(1974)」、「Endless Way(1975)/渡辺香津美トリオ」、「 Milky Shade(1976)/渡辺香津美クァルテット」、「 Olive Steps(1977)/渡辺香津美」、「Mermaid(1977)/渡辺香津美&ジェントル・ソウツ」と順調に階段を登ってきた。リー・リートナーのジェントル・ソウツと共演した「Mermaid」などの成功はその足跡に華を添えている。14才でギターを始めて、たった3年足らずでデビュー・アルバムを出してしまうこと自体が天才と言われる所以でもある。
この「ロンサム・キャット」は1977年の12月にニューヨークで録音された。当時の勢いのあるミュージシャンたちで作られたサウンドは当時の言葉で言えばクロスオーバー・ミュージックと表現されるだろう。レニー・ホワイトのドラミングなどは力強くファンキーであり、ロック的でもある。全体的に演奏に切れがあり、軽やかである。1曲目の「Somebody Samebody 」で聴けるサウンドは後にキリンやトチカでブレイクする渡辺香津美を予感させる。1970年代の後半のジャズ、クロスーバーの特有の匂いが漂っている。この時代に生まれたサウンドはジャズもクロスオーバーもフュージョンも同じような音の匂いがあるのだ。当時、大学生であった私のような年代の人々にはよく分かってもらえると思う。あの時代の空気の匂いを感じながら、思い出に浸るのもいいと思う。キリンやトチカのサウンドが好きな人なら、必ず楽しめる作品である。
KAZUMI WATANABE : guitar
GEOGE CABLES : piano
ALEX BLAKE : electric bass
CECIL McBEE : bass
LENNY WHITE : drums
評価:B(手応えのある快作品)
( Hideyuki Oba.2001.6.4)
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