レッド・パーティー/マライア

Red Party/MARIAH

side-A 1.Yen Tricks 2.Black Mariah 3.Let It Blow 4.Auschwiz Dream
side-B 1.Captor Of Your Love 2.Fate 3.We Are The Same 4.Crash The Curse Of Christ
side-C 1.Estancia Lover 2.In Search Of 3.Key Of Gold
side-D 1.Atomic Rooster 2.Helter Skelter 3.Burning P.M.


1981年作

 1981年3月9日、渋谷エピキュラスにて行なわれたマライアのライブ・アルバムである。アルバム「エントリックス/マライア」「ベルリン/清水靖晃」「アウシュビッツ・ドリーム/マライア」「アトミック・ルースター/土方隆行」から選曲され、当時のマライアのナマの息づかいが伝わってくるような作品である。マライアという伝説の音楽集団が短命に終わった理由として、彼らの音楽活動がスタジオ・ワーク中心に行なった為、ライブでいろいろな音楽ファンに彼らの存在を伝えられなかったことが言われている。確かに音楽プロモーションを考えた場合、ライブは素晴らしい活動であり、多くのファンを作る手段である。実際にライブで音楽を体験することはその人にとって強烈なインパクトを生むことになる。実は私は一度だけ、マライアのライブを観たことがある。記憶が確かではないが、アルバム「マージナル・ラヴ」が発売された年で1982年の12月だったように思う。何故かと言えば、そのライブのオープニング曲が「Lucy`s Small Hotel」、つまり「マージナル・ラヴ」の1曲目から始まったことを鮮烈に記憶しているからだ。もうあの体験は一生忘れることができない。光の届かない暗闇のステージから突如土方隆行のギターが作る金属板を切るような不協和音が響き渡り、演奏がブレイクした瞬間に全てのライトが一斉に光を放出した。眼が眩み、脳がクラクラする、そういう瞬間を体験したのだ。おそらく私が体験したライブのベスト3に入るだろうと思う。演奏もさることながら、音と映像(ここではステージのライトの演出など)の一体感が作り出す空間の魔力が観に来た人々のこころに確実なイメージを植え付けたのではないだろうか。

 もし、マライアがライブ活動も精力的に行なっていたとしたら、現在の日本の音楽状況も違っていたかも知れない。日本から世界に羽ばたくアーティストがもっと様々なカタチでもっと多くの作品を届けていたかも知れない。「レッド・パーティー」はそんなマライアが残した唯一のライブ音源である。

サウンド・プロデュース:マライア

土方隆行:ギター、ボ−カル
笹路政徳:キーボード
清水靖晃:テナー&アルト・サックス
村川ジミ−聡:ボ−カル
渡辺モリオ:ベース
山木秀夫:ドラムス

川口純一:ギター
宮城純子/高山敦子:キーボード
JADA:コーラス

評価:A(名盤と呼べる傑作品)

( Hideyuki Oba.2001.5.8)

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