セブンス・ソージャン/ムーディー・ブルース

Sevens Sojourn/Moody Blues

Side-A1.失われた世界へ 2.新しい水平線 3.フォ−・マイ・レディー 4.神秘な世界
Side-B 1.ユー・アンド.ミ−(生命の燠火) 2.虚飾の世界 3.ホエン・ユー・アー・フリーマン 4.ロックン・ロール・シンガー


1972年作

やはり、ムーディー・ブルースというグループの音楽を聴く時、われわれ日本のプログレ・ファンが一般的に抱いている変拍子と複雑なアレンジで構成するプログレのカタチを一度、忘れてしまわないといけないのかもしれない。私自身、この変拍子というリズムにめっぽう弱いというところがある。やっぱ、プログレは変拍子でしょ。その意見に反対することはできないのである。で、その視点でばかり音楽を聴いていると、大切なものを見失って(聴き損なって)しまう可能性がある。良い音楽を感じることができなくなってしまう。それはまずいでしょう。ムーディー・ブルースの大らかで柔らかく美しいメロディーで作るプログレシブ・ロックが日本のプログレファンにはあまり好まれなかったという事実はそれはそれで受け止めなければならないが、やはり良いモノを良いと感じる感性をリスナー自身が持つべきではないだろうか。

このアルバム「セブンス・ソ−ジャン」は聖書でいう”7日目の安息日”であり、通算7枚目の作品として数えられる。アルバムを出すたびに全英NO.1を獲得してきたムーディー・ブルースはこの作品でも全英NO.1を獲得した。私の知る限り、彼らの音楽は一曲一曲はコンパクトである。キャッチ−なメロディ−と小気味良いリズムとスピード感。それでアルバム全体でひとつの大きなコンセプトが語られているのである。ガツーンといったインパクトで迫るのではなく、柔らかなサウンドとメロディーでじわじわと心の奥底までしみ込んでくるムーディー・ブルースの音楽は聴けば聴くほど味が出るタイプの音楽と言える。一般的にはこのアルバムまでが彼らの全盛期といわれている。まさに、絶頂期に発表された「セブンス・ソ−ジャン」ですべてをやり尽くしたかのようにこの後彼らはしばらく活動を停止してしまうのである。

ジャスティン・ヘイワード:Vo,Guitar
ジョン・ロッジ:Vo,Bass
マイク・ピンダー:Vo,Key
グレアム・エッジ:Dr
レイ・トーマス:Vo,Flute


評価:B(手ごたえのある快作品)

( Hideyuki Oba.2001.1.13)
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