1.El Despertar 2.Condenados 3.Mas Alla del Limite 4.Tiempo sin Razon 5. Utopia 6.La espiral 7.Signos en el Cielo 8.Sueno Infinito 9.Detras del Umbral 10.La Procesion Interior 11.Eterno y Fugaz 12.La Batalla 13.El Ultimo Ritual
1999年作
アルゼンチン・プログレッシブ・ロックの新鋭がこのNEXUSである。ネクサスという名前だけで往年のプログレファンは聴いてみたいと思うのであるが、本作「Detras del Umbral」(英語表記すると「Behaind the Gate」らしい)の内容はかなり念のいったハードシンフォニックアルバムとなっていて期待に充分答えてくれている。1998年に録音され、1999年にリリースされた本作はひとつのストーリーに基づいたトータルコンセプトアルバムで、全編73分28秒の超大作なのだが、ここまで超大作となると最初から最後まで一気に聴き通すのにはかなり根性がいる作業である。しかし、キーボードを中心としたシンフォニックワールドは聴くものを捕らえて最後まで離さない。音世界的には宗教的な雰囲気が随所に感じられ、ゴシック的なのだが演奏テクニック的にはまさしく現代的でかなりハード&ヘビーである。このハードさおよびヘビーさがネクサスの一つの特徴なのであるが、それを醸し出しているのがカルロス・ルシーナによる「現代的なフレージング&リフ中心のギターサウンド」なのである。更に、宗教的とも言える壮大なシンフォニックサウンドの要はネクサスの中心人物であるラロ・フーバーのシンセサウンドが握っている。時にはエディ・ジョブソン真っ青のハードシンセサウンドを聴かせたと思えば、キ−ス・エマ−スンのようにハモンドを弾きまくったり、はたまたトニー・バンクスの幻想世界を構築して見せたりと変幻自在。過去から現在までのキーボードサウンドのカッコイイ所ばかりを継承してきたかのようなサウンドだ。そして、最後にマリエラ・ゴンザレスのラテン的な女性ボーカルがとどめをさす。最近はこの手のバンドで女性ボーカルをフィーチャーすることが多いが、マリエラのヴォーカルはアルゼンチンの大先輩バンド「アナクルーサ」のスサナ・ロゴも驚きのアルゼンチーナ・フォルクオーレを継承しているのだ。ということで、ネクサスの本作品は「アルゼンチン的ゴシック・ハード・シンフォニック・プログレシブ・ロック」の超大作で、かなりの傑作である、と評すことができましょう。
Lalo Huber : key
Daniel Iannaruberto : bass
Carlos Lucena : g
Luis Nakamura : d
Mariela Gonzalez : vo