プリズムIII/プリズム

PRISM-III/PRISM

side-A 1.Echoes〜Virgo-9〜promised Islamd 2.LVING FOR THE DAYLIGHT 3.MY LITTLE TRICK 4.SUNRISE CRUISE 5.MEMORIES OF YOU〜WHEN YOU WERE GONE
side-B 1.NIGHT PICNIC〜Floating desert 2.SUNSHINE LADY 3.風神 4.WHITE SPRING


1979年

う〜ん、森園勝敏が抜けちゃいました。音楽性の違いということだろうか。メロウなサウンド志向の森園、クールなサウンド志向の和田。ま、こんな単純に言葉で整理できるものではないけれど、ふたりのギタリストのぶつかり合いから生まれる、いい意味での緊張感は危ういバランスの上に成り立っていたのだろう。和田アキラの勢いの前では森園勝敏の居場所がなくなっていたのだろうか。それにしても残念なことだった。メロウとクールのバランスの良さがプリズムの良さでもあったのに・・・。

しかし、である。プリズムはそんな事件もなんのその、パーカッションにヤスカズを迎え、サウンドの幅を拡大し、よりクールに、より鋭いプログレシブ・フュージョン・バンドへと成長してしまうのである。森園の脱退のせいなのか、やはりメロウなサウンド部分は後退し、よりクールに進化した、もはやジャズ・ロックと呼んでも良さそうなくらいプログレシブな世界を展開している。曲づくりもそれぞれのメンバーが満遍なく行っていて、バラエティー感あふれる、起伏に飛んだ素晴らしいアルバムに仕上がっている。インドネシアのガムランなど、今までにないサウンドのアイディアも豊富に取り入れ、聴くものを全く飽きさせるところがない。スピード感があり、初めから最後まで一気に駆け抜けて行くところが気持ちいい。

収録されているどの曲も最高にかっいいものばかりであるが、個人的にこの中から1曲だけ選ぶとしたら、「MEMORIES OF YOU〜WHEN YOU WERE GONE」だろう。センチメンタルで心の琴線にふれる美しいメロディーがダイナミックに流れて行く。壮大でスケール感の大きい、シンフォニック・フュージョン・サウンド。やっぱり、泣いちゃいますぇ。この曲は何度聴いても、何時聴いても・・・・。演奏テクニック、楽曲の素晴らしさ、総合的にみるとプリズムの最高傑作と呼べる作品ではないだろうか。

和田アキラ / ギター
渡辺健 / ベース
伊藤幸毅 / キーボード
佐藤ヤスカズ/パーカッション
鈴木徹 / ドラム

ゲスト 久米大作 / キーボード

評価:超A(滅多に出ない超傑作品)

(Hideyuki Oba 2001.3.7)
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