リジューヴァネイション/プリズム

Rejuvenation/PRISM

1.dawn ~mother earth II~ 2.Sellin` out 3.Ideogram 4.longin` for home 5.Sumer 6.Blue,green&red 7.A plant`s wish 8.Black wings 


1992年

 前作「マザー・アース」でプリズムはラテンの国南米からヨーロッパへ旅をしたと書いたが、彼らはまたアメリカ大陸へ場所を移動させた。正確にはヨーロッパとアメリカを二股かけていると言ったほうがいいかも知れない。例えば「longin` for home」「Sumer」ではパット・メセニーが描くアメリカ大陸の広大な大地のイメージを感じさせつつ、メロディアスな映画のサウンド・トラックに近い世界を聴かせてくれている。「Blue,green&red」ではさらに南米のラテンのリズムも取り入れ、そよ風に吹かれながら気持ち良く草花が揺れているようなすがすがしい空気感を作り出している。和田アキラの奏でるアコースティク・ギターの美しいメロディーがパット・メセニーの名作「アメリカン・ガレージ」に代表されるみずみずしさを連想させる。このアルバムではアコースティク・ギターとエレキ・ギターのサウンドのニュアンスを上手に使いながら、大きなサウンド空間を生み出している。さらに渡辺健のフレットレス・ベースがそれをフォローしている。作品全体の骨格をみれば前作の延長線上にあることは間違いないのだが、そのサウンドのディティールは随分と異なっているようだ。前作のアラン・ホールズワ−ス的なギターの音色とフレーズも聴くことはできるが、また新しいサウンド世界を彼らは提示してくれた。アルバム・タイトル「Rejuvenation」には若返り、元気回復という意味がある。私はちょっと疲れたこころを休ませたいという時などに聴いている。ヒ−リング的な要素も兼ね備えたこころにしみる作品である。

和田アキラ:ギター
渡辺健:ベース
木村万作:ドラムス

評価:B(手ごたえのある快作品)

(Hideyuki Oba 2001.3.11)
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