サプライズ/プリズム

Suprise/PRISM

1.Karma 2.Back Street Jive 3.Unfogetable 4.Upside Down 5.Desperation part-1 6.Open Mind 7.Desperation part-2 その他
(資料紛失のため、順不同、曲目も欠落あり)


1980年

 第2期プリズムの始まりである。レコードのジャケット・デザインを見ても明確に理解できるが、第1期に見られた白と青のカラー・デザイン・イメージを捨去り、新しい世界へと変わろうとする彼らの気持ちが現われているようだ。「プリズムIII」で彼らは甘くメロウなサウンドを後退させ、より鋭くプログレシブな世界を作ったが、でも、その世界にはハートフルなメロディーで歌い上げる第1期プリズムならではの白とブルーのイメージがしっかりあった。しかし、この「サプライズ」ではそのハートフルで歌うことを控え、クールで感情的なニュアンスをおさえたサウンドを展開させた。

 今、聴くと初期のプリズムらしいサウンドだなと素直に楽しめるが、発売当時このアルバムを聴いた時は少し戸惑うくらいプリズムは変わってしまったなと感じたものである。私はハートフルに歌うプリズムのメロディーが大好きである。ドラマティツクに壮大な泣きのメロディーに感動していたのである。このアルバムではその感情的な部分がずいぶんと減り、個人的にはあまり好きになれなかったのだ。だから、当時は何回もくり返し聴いたと言うことはなかった。その後、彼らがライブ盤で出したアルバムの中でこの「サプライズ」の中の曲が収録され、そこで改めて良さを発見したという訳である。

 やっぱり、この作品にも泣きというメロディーが存在し、素晴らしく美しいメロディーが随所にある名曲ぞろいのアルバムである。「Unfogetable」はメモリー・オブ・ユーの第2弾的な曲で、大らかなメロディーで歌い上げるドラマチックな名曲。そして「Karma」はプリズムというグループの代表曲のひとつであり、その後、繰り替えしライブで演奏され続ける曲になる。静と動の対比が作る緊張感が素晴らしい。「Karma」とは仏教用語で業因業果、現在の災いの原因となる過去の悪行。何か精神的な高みにまで昇ってしまったかのような感じで、さらに前に向かってへプリズムは走りはじめたのである。

プリズム
和田アキラ / ギター
渡辺健 / ベース
佐山雅弘 / キーボード
青山純 / ドラム

評価:A(名盤と呼べる傑作品)

(Hideyuki Oba 2001.3.11)
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