1.Rythm of the lights 2.Tearscape 3.I know that 4.Wind 5.The first sky and the last sea 6.While you blink 8 times 7.Foot prints on water 8.A-So-BI-MA-SHO 9.Wind
1982年
アルファ・ムーンレコードに移籍して、ロサンゼルスでレコーディングした作品。プリズムのサウンド・イメージがガラリと変わった。1曲目の「Rythm of the lights」でのドラムマシーンの音色からアレンジ総てが新しいプリズム作品の表紙になっている。使用する音楽機材の進化に伴い、いろんな意味で新しいことに挑戦しているプリズムの姿勢がはっきりと現われている。いや〜、劇的なチャレンジであり変化だと思う。今まで地上で活動をしていた生物が地中に潜り、新しい生活を始めたようなイメージ。サウンドの体温がどこか冷たくひんやりしている。適切な表現ではないかもしれなが、私は第3期キング・クリムゾンが持っているあの光の届かない暗闇のイメージに重なるのである。冷たくて重い空気がそこに流れているのである。このアルバムで私はプリズムというバンドを初めてプログレシブ・ロックという枠の中に入れて捕えるようになった。プログレが持つ独特のダークなニュアンスが作品全体を覆っている。「The first sky and the last sea」の中で聴けるサックスの音もジャズ的ではなく、メル・コリンズなどが吹くプログレシブ・ロックのサックス・プレーに聴こえるのだ。和田アキラのギターはある意味では押さえられた格好でメロディーをしっかりと弾いている。ジャズ・フュージョンでのアドリブ的な圧倒的に弾きまくるギター・ソロというのがほとんどない。それはよりロック的な音楽のつくりかたを意味しているように思う。このアルバムを製作したプリズムはもはやフュージョン・バンドではなく、ロック・バンドである。