ホワイタ−/プリズム

Whiter/PRISM

1.Oh,No! 2.Hong Kong 3.Embracing You 4.Hinata-Bokko 5.Spiral Blues 6.Cascade 7.The Sound Of Mind 8.Silk Breezin 9.Till The End Of Time~Memories Of You~Unfogetable 


1997年

 アルバム「ホワイタ−」はプリズム結成20周年記念という節目に、スタジオ録音のフル・アルバムとして発売された。ある意味でプリズムの総決算というサウンド構成になっているように感じられる。それはプリズムというグループがもっている様々な側面がバランスよく配置され、プリズムをいろんな角度から聴くことができる作品になっているからである。例えば、それはアラン・ホールズワ−スやブランドXが表現するブリティッシュ・ジャズ・ロックの世界に通じるプリズム的ジャズ・ロック・ミュージックであり、パット・メセニ−に代表される広大な大地を想像させる映画のサウンドトラック的なドラマチックなプリズム的フュージョン・ミュージックであり、タイトでスピードに乗ったロックのビートの上に、和田アキラのギターが切なく歌うプリズム的ギター・ミュージックであり、渡辺健が作るハートフルに歌い上げるプリズム的シンフォニック・ミュージックであったりする。そのどれもがバランスよくこの作品の中に納められ、構成にバラエティ感があって楽しめるアルバムになっている。

 そして、エンディングの9曲目、プリズムのハートフルなメロディーで歌い上げるふたつの名曲「Memories Of You」と「Unfogetable」をひとつにまとめた「Till The End Of Time~Memories Of You~Unfogetable」を聴くと、彼らがここでひと区切りつけようとしている感じが伝わってくる。何度も言うようでくどいかも知れないが、このふたつの曲のこころの琴線に触れてくるメロディーは簡単に作ることができない素晴らしい作品である。そのふたつをひとつにまとめて表現したところに何かプリズムの決意のようなものを感じる。総決算。さて、プリズムはこれからどんな活動をみせてくれるのだろうか。しっかりと見守って行きたい。

和田アキラ:ギター
渡辺健:ベース
木村万作:ドラムス

評価:B(手ごたえのある快作品)

(Hideyuki Oba 2001.3.11)
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