プリンテッド・ジェリー/四人囃子
Printed Jelly/Yoninbayashi

1,ハレソラ:HA-RE-SO-RA
2,昼下がりの熱い日:A Day in The Afternoon
3,シテール:Cythere
4,N★Y★C★R★R★M:New York City Rock'n' Roll Machine
5,気まぐれの目かくし:Caprice and Grace
6,ヴァイオレット・ストーム:The Violet Storm

1977年作

 ゴールデン・ピクニックス発売後、森園がバンドを脱退し、四人囃子はグループの活動を停止せざるを得なかった。その間、次のギタリストを捜していたのだが、札幌で活動していたハード・プログレ・バンド、マーシャン・ロード(ここにはキーボードに中嶋優貴がいた)に在籍する佐藤満を獲得し、レコーディングに入ることになった。それがこのサード・アルバム「プリンテッド・ジェリー」である。まず、どうしても注目してしまうのはギターとなるのだが、この作品は森園から佐藤へギタリストが変わったことよりも、作品全体のサウンド世界自体がかなり変わっていることのほうが大きい。ベースの佐久間が中心となって曲作りがおこなわれたらしいが、前作まで必ず採り入れられていた4大プログレバンドKEPYの影響は完全に陰を潜めてしまった。この作品はプログレというのではなく、純粋な和製ポップ・ロックであり、ブルース色が随所に感じられる。それは日本のフォーク・ソングのニュアンスと欧米のロックを合わせた四人囃子的ロックなのだと思う。これはあくまで推測の域を出ないのだが、おそらく、当時のプログレとしての四人囃子ファンはこの作品を聴いて戸惑ったり、落胆したことだろうと思う。ただ、当時の一般的な日本のポップ・ロックを指向していたリスナーの中から、新たなファンが誕生した可能性もあると思う。客観的に聴けば、上質のジャパニーズ・フォーク・ロックに仕上がっているからだ。
評価:C(楽しめる良作品)
( 大庭英亨 2002.11.10)
佐藤ミツル(ギター&ボーカル)
佐久間正英(ベース)
坂下秀実(キーボード)
岡井大二(ドラムス&パーカッション)        

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